厚生労働省では、毎年9月を「健康増進普及月間」と定めています。
健康に対する国民の一人ひとりの意識を高め、健康な体を維持するために国と自治体が一緒になってさまざまな活動を行っています。
この記事では健康増進普及月間についてご紹介します。
日本人の健康と平均寿命
日本人の平均寿命が世界一長いことは有名ですね。
厚生労働省のデータによれば、令和4年度の日本人の平均寿命は、男性81.05歳・女性87.09歳となっています。
この平均寿命の長さは、日本人の健康水準が向上し続けているからにほかなりません。
みなさんのなかにも、「健康のためにしていること」をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、その一方では高齢化が進み、社会生活環境の急激な変化などに伴って、糖尿病・がん・心臓病・脳卒中などの生活習慣病の増加が大きな問題となっているのが現状です。
健康増進普及月間では、この現代日本が抱えている健康問題を解決するために「生活習慣病の一次予防」と「健康寿命の延伸」を目標としています。
一次予防とは
検診での病気発見や病気の治療とは違って、一次予防では病気の予防や健康増進を行います。
病気の原因を排除したり、病気のリスク低減を目指すのが一次予防です。
具体的には、食事や運動などの生活習慣や生活環境を改善したり、健康教育などによって正しい知識を身につけ健康増進を意識してもらうなどがあります。
日本で問題となっている生活習慣病では、よくない生活習慣をあらためることで病気の発生を防いだり、良い状態をキープすることができます。
健康寿命とは
健康寿命とは、健康状態で生活することができるとされる期間のことです。
日本では平均寿命が長くなったことによって、平均寿命と健康寿命の間に大きな差が出てきています。
2019年では平均寿命と健康寿命の差が、男性で8.73年、女性では12.06年となっています。
この差はそのまま「健康ではない期間」とも言い換えられます。
この差を縮め、生活の質をあげることが日本の課題の一つとなっています。
健康増進普及月間標語
令和5年の健康増進普及月間の統一標語は、下記に決定しました。
1に運動 2に食事 しっかり禁煙 最後にクスリ
~健康寿命の延伸~
健康のための基本的な事柄に思えますが、みなさんはできているでしょうか。
運動だけでも、食事だけでも、健康を維持するには足りません。
健康寿命を伸ばすことを目指して、良い生活習慣作りに挑戦していきましょう。
健康増進普及月間のまとめ
運動・食事・禁煙など個人の生活習慣の改善は、生活習慣病の予防や健康寿命を延ばすことと大きく関係があります。
普段の何気ない習慣だからこそ、今更変えにくいかもしれませんね。
健康増進普及月間の開催に伴い、各地でイベントも開かれています。
健康講演会やウォーキングイベント、食生活相談や栄養改善指導といった、私たちが参加しやすいものもあります。
こういったイベントに興味を持ち、参加してみることも生活習慣の改善への一歩です。
ぜひ健康増進普及月間をきっかけに、自分の健康を見つめなおしてみてください。
参考資料:厚生労働省 令和5年度健康増進普及月間実施要綱
厚生労働省 1主な年齢の平均余命
提供:株式会社さんぽテラス