「食事は一口につき30回噛みましょう」と耳にした覚えはありませんか?
実際に一口につき30回噛むことは難しいと思いますが、よく噛んで食べることは健康に良いと言われています。
近年の疫学調査によれば、速食いの習慣がある人には肥満者が多いことがわかってきました。よく噛んで食べると、食事は自然とゆっくりなものになります。
ゆっくりと噛むことは肥満対策のひとつとして期待されています。
※「速食い」は「早食い」と表記されることが多いですが、「速食い」は食べるスピードが速いことを意味し、「早弁」のように食べる時間帯が早いことを意味するものではありません。よって、本来の意味を正確に表現する「速食い」を用いています。
自分のBMIを計算してみよう
下記の計算式に自分の体重と身長を当てはめてみてください。
BMI(kg/㎡)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
例:身長165cm 体重60kgの方の場合
60(kg)÷1.65(m)÷1.65(m)=22(kg/㎡)
このBMIが18.5未満だとやせ、18.5以上25未満だとふつう、25以上だと肥満と判断されます。
食べる速さとBMIの関係
平成21年国民健康・栄養調査結果では、食べる速さを体型別にみると、肥満体型(BMI25以上)の男性は、速いと回答した人が63.9%となっています。
ふつう体型(BMI18.5以上25未満)の男性で47.2%、やせ体型(BMI18.5未満)の男性で35.0%です。
肥満でない人と比べると、肥満の人は速食いの傾向にあることが分かります。
さらに肥満の人は20歳時点からどれだけ体重が増加したか、つまりBMI増加量も高いことが分かっています。若いときからの食習慣が、長年にわたる健康に影響を与えます。
また別の疫学調査によれば、「速食い」に加えて「お腹いっぱい食べる」かどうかとBMIの関連が分析されました。その結果、「速食い」の習慣を持つ人と「お腹いっぱい食べる」習慣を持つ人はBMIが高く、両方の習慣を持つ人はさらにBMIが高いことが分かりました。
速食いと肥満のまとめ
人間の脳が満腹を感じるためには、一定の時間がかかります。
このため、速食いでは満腹感を感じるまでに必要以上に食べすぎてしまうのです。
よく噛んで食べれば、食事が少量でも満腹のサインが脳に伝わりやすく、食欲を抑えることができます。
また、よく噛んで食べることは脳内物質に働きかけ、内臓脂肪の分解を促進させたり、脳の活性化・唾液の分泌が増えることにより消化を助ける効果もあります。
食事はよく噛んで、ゆっくり味わって食べましょう。
参考資料:厚生労働省 eヘルスネット「速食いと肥満の関係」
農林水産省 みんなの食育「ゆっくり食べる」
提供:株式会社さんぽテラス
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