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速食いと肥満について

よく噛んで食べることは健康によいと言い伝えられてきましたが、近年の疫学調査により速食いの習慣がある人には肥満者が多いことがわかってきました。


「ゆっくりとよく噛むこと」は肥満対策のひとつとして期待されています。

その一方で歯を失うと「噛めない」状態になり、栄養摂取バランスの低下をきたします。

食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」は健康と密接なつながりを持っています。


※「速食い」は「早食い」と表記されることが多く、「速食い」は食べるスピードが速いことを意味し、「早弁」のように食べる時間帯が早いことを意味するものではありません。よって、本来の意味を正確に表現する「速食い」を用いて表現しています。


速食いと肥満の関係


速食いと肥満の関係

平成21年国民健康・栄養調査結果では、食べる速さを体型別にみると、肥満(BMI25以上)の男性は、速いと回答した人が63.9%で、肥満ではない人に比べて多いことがわかっています。


他にも、速食いの習慣がある人ほど肥満度が高いという研究報告があります。

速食いでは、脳が満腹を感じるまでに食べ過ぎてしまうことが考えられます。


よく噛んで食べると、食事が少量でも満腹のサインが脳に伝わりやすく食欲が抑えられることや、脳内物質の働きとして内臓脂肪の分解を促進することも知られており、二重のダイエット効果が期待できます。


他にも、脳の活性化や、唾液の分泌が増え消化を助けるなどの効果もあります。食事は、よく噛んで、ゆっくり味わって食べましょう。



速食いを防止するために


速食いを防止するために

ゆっくりよく噛むことは肥満対策における行動療法のひとつとして「肥満症診療ガイドライン」のなかで「咀嚼法」として位置づけられています。


厚生労働省では、一口30回噛む習慣を奨める「噛ミング30(カミングサンマル)」運動を提唱しています。

しかしながら食物を一口30回噛むことは誰しもが簡単に実践できる習慣ではないので、手軽な実践方法が求められています。


軟らかいもの、食べやすいものばかりでは、噛む回数も食事時間も増えません。

咀嚼回数が多かった戦前の食事は麦などの雑穀や、根菜類、高野豆腐などの乾物がよく食べられていました。よく噛んで食べるには、噛みごたえのある食材や料理を多くすることも大切です。


また、デスクでパソコンを操作しながら、テレビや新聞を見ながらでは、食事や噛むことに集中できません。家族や友人と一緒にゆっくりと食事を楽しみましょう。


噛む回数を意識してメニューや食材選びを工夫しましょう


噛む回数を意識してメニューや食材選びを工夫しましょう
  • パンや麺よりもご飯、ご飯は白米よりも玄米

  • 挽肉を使ったハンバーグよりも、かみ応えのある生姜焼き

  • お刺身はマグロよりタコ

  • 里芋の煮物より、根菜の煮物 など


歯を失うと「噛めない」状態になる


歯を失うと「噛めない」状態になる

「何でもかんで食べることができる」人と「20歯以上の歯を持つ」人の割合は比例して年齢とともに低くなる傾向にあります。

つまり、「噛む」ことに加え、「噛める」ことも大変重要です。


そして食べ物をよく噛めなくなると、硬い食品を避けるようになり、ミネラル・ビタミン・食物繊維などの摂取量が低くなり、栄養摂取バランスの崩れにつながることがわかっています。



引用(上図):厚生労働省eヘルスネット「速食いと肥満の関係」

引用(下図):農林水産省「みんなの食育」

参考資料:厚生労働省HP、農林水産省HP


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