外へ出かけても寒さを感じにくくなり、心地よい気候が続く春。窓を開けて、家の中に外の空気を入れたくなる季節ですね。
そんな気持ちのいい春ですが、花粉症を抱えている方にはつらい季節でしょう。
マスクや花粉症用メガネで対策をしたり、外から帰ってきたら衣服に付いた花粉を払ってから洗濯したりと、気をつかうことも多いはずです。
この記事では、私たちを悩ます花粉症の基礎知識をご紹介します。
花粉症とは
日本では1960年代になってから、ブタクサ花粉症・スギ花粉症・イネ科花粉症などが報告されるようになりました。その後も現在まで、花粉症は種類・患者数ともに増え続けています。
花粉症は花粉によって引き起こされるアレルギー疾患です。
くしゃみ・鼻水・鼻づまり等のアレルギー性鼻炎や、目のかゆみ・流涙などのアレルギー性結膜炎が最も多く見られます。
まれにではありますが、喘息やアトピーといった症状を併発することもあります。
花粉症は日常生活に与える影響が大きく、国も問題解決に向けてさまざまな取り組みを行っているほど大きな社会問題となっています。
花粉症のしくみ
人の体では、侵入してきた物質(抗原)を自分以外の物質(異物)と判断すると、抗原を無害化しようとする反応(抗原抗体反応)がおこります。
異物を体外に排除しようとする反応は、私たちの体を守ってくれる欠かせないものです。この反応がなければ、私たちの体にはさまざまなウイルスや菌などが簡単に入り込んでしまうでしょう。
しかし、時にはこの抗原抗体反応がひどくなりすぎてしまい、生活に支障が出る場合があります。
これが花粉症の問題点です。
花粉症では、体内に侵入した花粉を異物と認識し、この異物に対する抗体を作り、再度侵入した花粉を排除しようとしているのです。
花粉症の症状であるくしゃみや鼻水は、体内に入った花粉に対して、人間の体が起こす正常な反応なのです。
本来、抗原抗体反応は必要なものですが、花粉症のように体にとってマイナスに働いてしまう場合がアレルギーになります。
2023年の花粉飛散予報
飛散開始は例年並みで、九州から関東にかけて2月上旬から少しずつ花粉が飛んできています。
スギ花粉のピークは例年並みで、3月上旬からピーク入りする地点が多いでしょう。スギ花粉は飛散期間が長く、5月下旬くらいまでは飛んでいる地域があります。
スギと同時にヒノキの飛散もあり、これは6月上旬まで続く見込みです。
また5月6月にはイネ科の花粉症がピークを迎えます。
イネ科花粉症をお持ちの方は、初夏になっても対策をしておくことをおすすめします。
花粉症のまとめ
花粉症のつらさは、かかっていない人にはなかなか理解されにくいものです。
ですが、国としても対策せざるを得ないほど患者数が多く、社会的にもこの状況を無視することはできません。
日本にはスギ林が多いため、今後も花粉症の患者数は増えていくと考えられています。
今、花粉症を発症していなくても、今後はどうなるかわかりません。予防のためにも、花粉症についての正しい知識を持つことが大切なのです。
参考資料:環境省 花粉症環境保健マニュアル2022
日本気象協会 2023年春の花粉飛散予測(第3報)
提供:株式会社さんぽテラス
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