人の鼻では侵入してきた物質(抗原)を自分以外の物質(異物)と判断すると、これを無害化しようとする反応(抗原抗体反応)がおこります。
その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出てくる病気をアレルギー性鼻炎と言います。
花粉症は体内に入った花粉に対して、人間の身体が起こす抗原抗体反応です。つまり、体内に侵入した花粉を異物と認識し、この異物(抗原)に対する抗体を作り、再度侵入した花粉を排除しようとする反応です。
一般的には免疫反応は身体にとって良い反応ですが、時には免疫反応が過剰になり、生活に支障が出てしまう事があります。このように身体にとってマイナスに働いてしまう場合がアレルギーになります。
花粉症の人が増加しているのはなぜか
花粉症患者が増加している要因として、飛散する花粉数の増加、食生活の変化、腸内細菌の変化や感染症の減少などが指摘されています。
また、最近の研究では花粉症の症状を悪化させる可能性があるものとして、空気中の汚染物質や喫煙、ストレスなどの影響、都市部における空気の乾燥などが考えられています。
花粉症の症状と関連性の強いものの一つとして喫煙を指摘する報告がある他、換気の悪い部屋でのストーブやガスレンジなどの燃焼による室内環境の汚染も花粉症の症状悪化に関係するとの指摘もあります。
さらに、春先の黄砂が花粉症の症状を悪化させる可能性が指摘されています。
2023年春の花粉予報
飛散開始は例年並み。九州から関東で2月上旬からスタート
スギ花粉のピークは例年並みで、3月上旬からピーク入りする地点が多い
飛散量は九州〜東北で前シーズンより多く、特に四国・近畿・東海・関東甲信で非常に多い予想
正しい対策をしましょう
花粉は昼前後と夕方に多く飛散します。外出時の服装は花粉が付着しにくいものを選び、マスク、メガネなどで花粉を防ぎ、帰宅時には花粉を払うなどして家の中に花粉を持ち込まないようにしましょう。
一般的な注意事項としては、睡眠をよくとること、規則正しい生活習慣を身につけることなどは正常な免疫機能を保つために重要です。
風邪をひかないこと、飲酒、喫煙を控えることなども鼻の粘膜を正常に保つために重要です。
参考資料:日本気象協会 2023年 春の花粉飛散予測(第3報)
環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」
提供:株式会社さんぽテラス