少しずつ空気が温かくなり、あちこちで花のほころぶ春がやってきました。
暖房の使用頻度が減って、日中は心地よく過ごせる日が続いていますね。

ですがこの暖かい春の気候は、実は火災の増える原因なのです。
そのため消防庁では、毎年春先に春季全国火災予防運動を行っています。
この記事では、今だからこそ気をつけたい火災について、防止の観点からご紹介していきます。
なぜ春に火災が多いのでしょうか?
冬はとても空気が乾燥するため、火事が起きやすいと考えている方も多いでしょう。
ですが、冬以上に火事が多いのは春なのです。
もっとも火事件数が多いのは3月、次いで多いのは4月となっています。
この結果を意外に思う方もいるかもしれません。
春はまだ朝晩が寒くて気温が上がりきらず、乾燥した空気が残っています。
そこに大陸の方から乾いた移動性高気圧がやってきて、強い風を吹かせます。春に強く吹く風である春一番は、皆さんもご存じですよね。
この乾燥した空気と強風が相まって、春先は火事が一番多くなるのです。
主な火災の原因
自宅が火事になる場合、さまざまな原因があります。
どのような原因で火災が起きてしまうのか、見ていきましょう。
令和3年の総出火件数は35,222件でした。これを原因別に並べてみましょう。

1位:「たばこ」3,042件(8.6%)
2位:「たき火」2,764件(7.8%)

3位:「コンロ」2,678件(7.6%)
4位:「放火」2,333件(6.6%)
5位:「電気機器」1,816件(5.2%)
トップ5に入っている、たばこやコンロ、電気機器は私たちの身近にあるものです。扱い方を間違うと、どの家庭や会社でも家事につながる恐れがあります。
いのちを守る10のポイント
消防庁では、住宅火災からいのちを守る10のポイントを公開しています。
★4つの習慣

寝たばこは絶対にしない、させない。
ストーブの周りに燃えやすいものを置かない。
コンロを使うときは火のそばを離れない。
コンセントはほこりを清掃し、不必要なプラグは抜く。
★6つの対策


火災の発生を防ぐために、ストーブやコンロ等は安全装置の付いた機器を使用する。
火災の早期発見のために、住宅用火災警報器を定期的に点検し、10年を目安に交換する。
火災の拡大を防ぐために、部屋を整理整頓し、寝具、衣類およびカーテンは、防災品を使用する。
火災を小さいうちに消すために、消化器等を設置し、使い方を確認しておく。
お年寄りや身体の不自由な人は、避難経路と避難方法を常に確保し、備えておく。
防火防災訓練への参加、戸別訪問などにより、地域ぐるみの防火対策を行う。
6つの対策は機器の買い替えなどもあるため、すぐに実行するのは難しいかもしれません。
ですが、4つの習慣は今日からでも変えられる習慣です。
火事になって、もし家族に誰も怪我がなかったとしても、家や思い出の品などを失われるものは大きいでしょう。
後悔する前に、火事につながりそうな習慣をやめ、火災予防に努めてみませんか。
参考・引用:消防庁 火災統計および資料
提供:株式会社さんぽテラス