転倒と聞くと、道路でつまずいている姿や駅の階段に足を引っかけてしまうなど、外での姿を想像しがちです。
しかし家庭の中にも転倒のリスクは潜んでいます。
特に家の中で過ごす時間が長い高齢者の転倒事故では、その約6割が自宅で起きています。
転倒事故は一度起きると完治まで1ヵ月以上かかったり、ひどい場合は寝たきりになる可能性もあります。この記事では、家の中でできる転倒事故防止策をご紹介します。
毎日の運動で転倒防止
以前よりつまずくことが増えたな、と思ったらそれは身体からのサインです。
毎日の運動はしていますか?
身体機能は加齢とともに徐々に失われていきます。
筋力・バランス能力・瞬発力・持久力・柔軟性などが衰えると、とっさの反射的防御動作が行えなくなり転びやすくなります。
また、思ったように体が動かないこともありますよね。
段差を十分越えられるくらい足をあげたはずなのに、実際にはつま先を段差に引っかけてしまった経験はないでしょうか。
これは加齢とともに、予測した動きと実際の動きに齟齬(そご)ができるからです。
外に出るのが億劫になり、自宅にこもりがちの暮らしでは、活動量が減少して足腰が弱くなっていきます。運動機能や感覚機能が弱まれば、転倒リスクも上がります。
転倒防止のために、毎日少しずつでも運動しましょう。
転倒リスクのある場所
・居間
コードの配線をいつもまたいでいませんか。
コード類は壁に這わせたり部屋の奥にまとめるのがおすすめです。
めくれやすいカーペット、こたつの布団などは引っかかりやすいですよね。
滑り止めを敷いたり、床に固定しておきましょう。
・玄関
帰宅時というものはほっとして気が抜けますし、玄関には必ず段差があるので転びやすい場所です。手すりをつける、靴の脱ぎ履きのために小さな椅子を置く、段差が大きい場合は踏み台を用意するなど、転倒防止のための道具・設備を用意しましょう。
・廊下や階段
うす暗いと段差や家具が見えにくくなり、遠近感もつかみにくくなります。
足元までよく見える照明をつけましょう。
階段にちょっと荷物を置いてしまったり、明日持っていくものを廊下に出しっぱなしにしがちではないでしょうか。
「床に物を置かない」は取り組みやすい転倒防止策です。
床をすっきりさせておけば、掃除しやすく埃も積もりにくいため、清潔な環境も保てます。
・浴室
「水で濡れているところは滑りやすい」、皆さんよくご存知だと思います。
浴室は気をつけるだけでは転倒を防止できません。
手すりをつける、滑りにくい床材やマットを用意する、着替え用の椅子を置いておく、など設備面での転倒防止策も実施しましょう。
参考資料:政府広報オンライン
提供:株式会社さんぽテラス
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