夏の疲れを残さない
今年の夏は「113年間の観測史上最高に平均気温が高かった2010年に並ぶ」と言われています。日中は暑さのせいで、外に出るだけで疲れてしまいますね。
夜になってもなかなか暑さが抜けず、寝苦しい夜も多かったのではないでしょうか。
よく言われていることですが、日本の夏は湿度が高いです。
暑い日には、むわっとした湿気を含んだ空気が体にまとわりつくようです。
夏バテの原因はこの湿度と関係があります。
人間の体はいつも体温を一定に保とうとし、暑さで上昇した体温を下げるために発汗します。しかし湿度が高いと汗が蒸発せず、体温調節は難しくなるのです。
そのため自律神経に乱れが起こり、体の調子が悪くなってしまいます。
あまりの暑さに食欲不振や消化不良を起こしたり、睡眠不足になった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そうなると体には慢性的に疲労がたまっていってしまいます。
この記事では夏の疲れを残さないための食事についてご紹介します。
疲労回復の食事のポイント
主食、主菜、副菜を意識する
主食=糖質、主菜=たんぱく質、副菜=ビタミン、ミネラルをバランスよくとれる食事を心がけていますか?
それぞれに、体の調子を整え、エネルギーとなる栄養が含まれています。自分の食事を振り返ってみましょう。
夏はたくさんのエネルギーを消費します。糖質は体を動かすためにもちろん必要です。
ですがジュースや甘いお菓子でとるのではなく、食事から糖質を摂取することを意識しましょう。
たんぱく質には筋肉の疲労を回復させたり、体の持久力を向上させる効果があります。
植物性たんぱく質もよいですが、夏は動物性たんぱく質の摂取がおすすめです。
肉や魚は、同時に鉄分を摂取することができます。汗をかくと鉄分が汗と一緒に流れ出てしまうため、鉄分を意識して補給することが大切です。
ビタミン・ミネラル類は体の調子を整えてくれる役割があります。上にあげた糖質やたんぱく質を分解し、その吸収を助けてくれるのです。ビタミン・ミネラル類が不足すると、貧血や肌荒れ、免疫力の低下を引き起こします。あと一品の副菜で野菜や海藻類をとってみましょう。
ビタミンB1の補給を忘れずに
ビタミンB1は糖質や脂質をエネルギーに変える際に必要になる栄養素です。
せっかくとったエネルギーを効率よく使うためにも、ビタミンB1を意識して摂取しましょう。
身近な食材では豚肉、大豆、玄米、ほうれん草、ごまなどに多く含まれています。おすすめなのは、ビタミンB1の吸収をよくする栄養素・アリシンと一緒に調理することです。
こちらはニンニク、ニラ、ネギ、たまねぎ、生姜によく含まれています。
メニュー例には、豚の生姜焼きやハンバーグなどがあげられます。
クエン酸で疲労回復
すっぱい食品に含まれているクエン酸には、疲労の原因となる乳酸を排出する効果があります。夏になると自然とすっぱいものを食べたくなるのは、体がクエン酸を欲しているからでしょう。
クエン酸はレモン、グレープフルーツ、オレンジ、梅干し、お酢などに多く含まれています。クエン酸は熱を加えても分解されにくいため、料理にも使いやすいです。献立に一品、すっぱいおかずを取り入れてみてください。
参考資料:厚労省・国立療養所資料
提供:株式会社さんぽテラス