5月17日は世界高血圧デーです。
日本でもこの日に合わせ、高血圧で苦しむ人がいなくなるようさまざまな啓発イベントが行われています。
最後に血圧をはかったのはいつだったか覚えていますか?高血圧を防ぐためには、まず普段の自分の血圧を知ることが大切です。
この記事では、世界高血圧デーに関連して高血圧の基礎知識と予防についてご説明します。
高血圧とは

病院などで血圧を測った際に、最大血圧が140mmHg以上もしくは最小血圧が90mmHg以上の場合は高血圧と診断されます。
高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病による死亡に最も大きく関係しています。もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむとも予測されています。
高血圧自体は、生活習慣の改善や一人ひとりの意識改革によって、過去数十年で大きく減少しています。しかし、今も20歳以上の国民のおよそ2人に1人は高血圧の状態にあります。
高血圧の原因

日本人の高血圧の最大の原因は食塩のとりすぎです。日本食は塩分が高いと聞いたことはないでしょうか。
もともと多湿の日本では、塩を使った保存方法や、しょうゆや味噌などの塩辛い調味料が多く存在しています。そのため、他国と比べても塩分を摂取しやすい食事になってしまうのです。

また、若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒や運動不足も高血圧の原因です。
しょっぱくて脂っこいものやお酒を好み、なかなか運動する習慣がないという人は、今は問題なくても将来高血圧になる可能性が高いと言えるでしょう。
高血圧の予防

高血圧の予防に欠かせないのは、食塩の摂取量を制限することです。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の食塩摂取目標量では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。
減塩を心がけようと思ったら、まずは普段の食事を全体的に薄味にしてみましょう。かけしょうゆ、かけソースなどの習慣がある人は、つけしょうゆ、つけソースに改めるだけでも食塩摂取量が少なくなります。
漬け物をたくさん食べたり、味噌汁を1日に2杯以上飲んだりする人は塩分摂取量がどうしても増えてしまいます。漬け物も味噌汁も日本の大切な食文化ですが、減塩を意識するのであれば、1回の量を減らすことが大切です。
さらにラーメンなどを食べた際にスープまで全部飲んでしまうと、それだけで6g近い食塩をとってしまいます。麺類を食べた時はスープを残すのも減塩の工夫です。
また、食塩摂取量を減らすだけでなく、体から塩分を排出しやすい食事にするのも高血圧予防に役立ちます。野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあるため、食事の際には積極的にとってみてください。
まとめ
高血圧についてご説明してきました。
高血圧はサイレントキラーとも呼ばれ、自覚症状がないまま私たちの体を少しずつむしばんでいく症状です。少し前にはかった血圧が140mmHg/90mmHg以下であったとしても油断はできません。
高血圧は自分の工夫で予防ができる症状です。普段の食生活や運動習慣を見直し、高血圧にならないようにしていきましょう。
参考:e-ヘルスネット 高血圧
提供:株式会社さんぽテラス