インフルエンザの予防には、マスクをつける、手洗いうがいをするなどが有効です。
また、ワクチンの接種も、インフルエンザ感染後に発症の可能性を低くする効果や、発症してしまった際の重症化防止に効果があるとされています。
一方で、接種費用がかかったり医療機関への予約が必要だったりするため、ワクチン接種に消極的な方がいるのも事実です。
この記事では、インフルエンザワクチンの接種についてご紹介します。
インフルエンザワクチンの有効性
インフルエンザに罹ってしまうのは、インフルエンザウィルスが口や鼻、目などの粘膜を通して体の中に入ってくることから始まります。
次に、体の中に入ったウィルスは増殖を開始します。ウィルスが増えると数日程度の潜伏期間のあと、発熱やのどの痛み、倦怠感や筋肉痛といったインフルエンザの症状が出てきます。この状態が「発病」です。
インフルエンザワクチンには、この「発病」を抑える効果が一定程度認められています。
また、発病後ほとんどの方は一週間程度で回復します。しかし中には、肺炎やインフルエンザ脳症などの重い合併症を併発してしまい、入院することになったり死亡してしまう方もいます。これがインフルエンザの「重症化」です。
インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、この「重症化」を予防することです。
特に基礎疾患のある方や高齢の方は重症化する可能性が高いため、インフルエンザワクチンの積極的な接種が推奨されています。
インフルエンザワクチンの基礎知識
日本では毎年12月〜4月がインフルエンザの流行時期です。特に1月~3月は流行のピークと見られます。
10月に入ると、医療機関でインフルエンザワクチンが接種できるようになります。ピークを迎える12月中旬までにワクチン接種を済ませておくのが望ましいとされています。
また、接種後には副反応が出ることがあります。
免疫をつけるためにワクチンを接種したとき、免疫がつく以外の反応がみられることがあります。これを副反応といいます。
インフルエンザワクチンで比較的多くみられる副反応としては、接種した場所の赤みやはれ、痛みなどがあります。接種をした方の10〜20%に起こりますが、通常2〜3日でこれらの副反応はなくなります。
ワクチン接種後は接種箇所をかいたりこすったりせずに過ごしましょう。
まれにショック、アナフィラキシー症状が見られることもあります。これらの症状は、ワクチンに対するアレルギー反応で接種後、比較的すぐに起こることが多いため、接種後30分間は安静にしていましょう。
体調に異常が認められた場合には、速やかに接種した医療機関に連絡してください。
まとめ
インフルエンザワクチンの有効性や基礎知識についてご紹介しました。
これからどんどん気温が下がり、空気が乾燥してきます。インフルエンザは低温・低湿度の環境を好むため、流行のシーズンになるでしょう。
インフルエンザに絶対に感染しない方法は、現在の医療では存在しません。
感染しないために手洗いうがいを徹底し、発症させない・重症化させないためにインフルエンザワクチンを接種しましょう。
参考資料:厚生労働省 令和4年度インフルエンザQ&A
提供:株式会社さんぽテラス