「きっと誰かが、だったら私が はたちの献血」
これは、今年の献血キャンペーンのキャッチフレーズです。
街中での献血の呼びかけや、病院や公共施設に貼られている献血ポスターなどを見かけたことがあると思います。
すでに献血に協力したことがある方もいるでしょう。
厚生労働省、都道府県及び日本赤十字社では、献血者が減少しがちな冬に、血液製剤を安定供給するため、「はたちの献血」キャンペーンを令和5年1月1日から2月28日の2カ月間実施します。
この記事では、献血の基礎知識についてご紹介していきます。
献血はなぜ必要なのか
病気やけがの治療に使われる血液製剤は、献血による血液から作られています。血液は人工的に作ることができず、長い間の保存もできません。
また、献血してくれる人の健康を守るため、1人あたりの年間の献血回数や献血量には上限があります。
そのため、安定的に血液製剤を作るためには、日々多くの人の協力が必要なのです。
日本では少子高齢化の影響により、輸血を必要とする高齢者層が増加し、若い世代が減少しています。
この少子高齢化の状態は、献血事業にも影響を与えています。
10代〜30代の若年層の献血者数は、この10年間で約30%程度も減少しています。このまま減少が進んでいくと、血液の安定供給に支障をきたす恐れがあります。
今後も治療が必要な人に血液製剤を安定的に届けるためには、今まで以上に若い人たちの献血への理解と協力が必要なのです。
献血血液からつくられる「くすり」
献血で集められた血液は、どのように患者さんのもとに届くのでしょうか。
交通事故などでけがをしたときの輸血に使われるイメージがあるかと思いますが、それは全体の一部にすぎません。輸血血液はがんなどの病気の治療に使われています。
輸血血液は、血液型やウイルスなどがないかどうか調べた後、赤血球や血小板、血漿の成分ごとに、目的に合わせた血液製剤になります。
輸血に使用される輸血用血液製剤は献血血液のおよそ半分で、残りの半分は血漿分画製剤という医薬品をつくるために使用されています。
このように献血は、大きなけがをした時だけでなく、幅広く医療の役に立っているのです。
献血できる場所
さっそく献血に協力してみようと思っても、どこで献血できるのかご存じない方もいることでしょう。
下記のサイトで、自分の家や勤務先の近くにある献血ルームや献血バスのスケジュールを調べることができます。
・献血ルーム検索サイト
・献血バス運行スケジュール
はたちの献血キャンペーンまとめ
献血の必要性と、集められた血液がどのように使われるのかについてご紹介してきました。
献血は身近でできる大きな社会貢献です。
まだ献血に行ったことがない方も、この機会に献血に行ってみてはいかがでしょうか?
参考資料:厚生労働省 はたちの献血キャンペーンページ
提供:株式会社さんぽテラス