お正月は普段会う機会が少ない家族や親戚が集まる楽しい機会ですね。
美味しい食べ物や縁起のよい飾りつけ、初詣にお年玉と日本の文化がここぞと集まった行事です。
しかしいつもと違う食事である「お餅」を食べる機会が増えるお正月は、窒息事故が一番多い時期でもあります。
この記事では餅による窒息事故についてご説明します。
窒息事故はお正月が最多
餅による高齢者の窒息死亡事故について消費者庁が詳細なデータをとったところ、死亡事故の43%が1月に、14%が12月に発生していることがわかりました。
特にお正月の三が日に集中しています。
また、男性の死亡者数は女性の2.6倍にもなることがわかりました。
誰でも年を重ねると、噛む力や飲み込む力が弱くなります。特に餅を食べる機会が多い年末年始は、みんなで餅による窒息事故に注意しましょう。
高齢者だけでなく、小さなお子さんの窒息死亡事故にも気をつける必要があります。
餅をのどに詰まらせないためには
ここでは餅を詰まらせないようにするためのポイントを4つ紹介します。
①餅は小さく切って、食べやすい大きさにする
高齢者は噛む力や飲み込む力が弱いため、一般的な切り餅でものどに詰まらせる可能性があります。
餅は一口サイズ以下など、あらかじめ食べやすい大きさに小さく切っておきましょう。
②食べる前にのどを潤す
餅を食べる前に、まずはお茶や汁物などを飲んでのどを潤しておくのがおすすめです。
ただし、餅がうまく飲み込めないからといって飲み物で無理やり流し込もうとするのは危険です。かえってのどの奥で詰まってしまう可能性があります。
③ゆっくりと噛んでから飲み込む
餅を食べるときは、少量ずつ口に入れよく噛んで食べましょう。
よく噛むことによって唾液の分泌が促され、スムーズに飲み込めるようになります。
また、口の中の餅を全て飲み込んでから、次の餅を口に入れるようにしましょう。
④食べる人を見守る
噛む力や飲み込む力が弱い高齢者や小さなお子さんと一緒に食事をする際は、食事の様子を見守りましょう。
ひと口が大きすぎないか、しっかり噛んで食べているかなど食事の様子に注意を払ってみてください。
餅をのどに詰まらせたときは
一緒に食事をしている人が餅を詰まらせてしまったら、呼びかけて声が出せるかどうか確認してください。声が出せない場合は、のどに詰まった餅を取り除かなくてはなりません。
咳が出せるのであれば、できるかぎり咳をさせましょう。
強い咳をすることもできないときには窒息と判断し、大声で助けを呼んで周りの人に119番通報やAEDの搬送を依頼してください。
そして、すぐに気道異物除去を行います。救助者が1人の場合、餅を詰まらせた人に反応がある間は119番通報よりも異物除去を優先しましょう。
呼びかけに反応がない場合、また、応急手当の間に反応がなくなった場合は直ちに心肺蘇生の手順を開始してください。
まとめ
食べ方に気をつけることで、窒息事故を防ぐことができます。
年末年始は救急車の出動が増え、到着までの時間がいつもより長くなる傾向があります。
だからこそ防止策をとることが大切です。
楽しいお正月の時間に悲しい思いをしないですむように、お雑煮やお汁粉などお餅を食べるときは十分に気をつけましょう。
参考資料:政府広報オンライン 餅による窒息に要注意!喉に詰まったときの応急手当は?
提供:株式会社さんぽテラス
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